鈴木さん写真展 / 佐可野未来

 みなさんこんにちは。Kids photo Journal (KPJ) OGの佐可野未来です。前回に引き続き、今日もブログを更新していきます!  

 今回は、3月4日から26日までREMINDERS PHOTOGRAPHY STORONGHOLD (RPS)ギャラリーにて「鈴木麻弓 写真展 The Restoration Will」を開催している宮城県女川町出身の鈴木麻弓さんにインタビューをしました。

 

photo by ©Mirai Sagano/311 Kids' Photo Journal
photo by ©Mirai Sagano/311 Kids' Photo Journal

◎ 震災のとき、どこで何をしていましたか? 

 

 結婚後、神奈川県の逗子に引っ越してきたので、地震は自宅のアパートで感じました。地震のことはTwitterで知り、震源が女川沖 M7.9という情報が流れてから、逗子もゆれ始め、水平に揺れ動くとても変な地震で、アパートが危ないのではないかと感じ、外に出ました。その時、震源からはるか500kmも離れているにもかかわらず、日本の多くの地点が揺れているという現実にこの地震は津波が来るだろうと思っていました。その後津波を知らせる情報が流れたため、女川に住んでいる親に電話をしましたが、やはり電話は繋がらず、ただ信じるばかりでした。その後、住んでいた地域は停電し、持っている携帯やラジオ、パソコンの充電が命でした。いつまで停電が続くかわからないため、現地の状況を知りたい気持ちを抑えながら、何時間かおきに情報を得ていました。情報を得ていく中で、仙台空港や平坦な田んぼを津波が襲う映像が流れてきたとき、あんなところまで津波が来てしまったのなら、女川は駄目だろうなと感じたことを覚えています。

 

 

◎ 震災後1番最初に女川へ行ったのはいつですか? 

 

 3月28日でした。姉が仙台に住んでいたので女川へ向かう前から女川の様子、両親が亡くなっていたことを聞きました。

姉がたくさんの避難所を周り、両親の行方を捜している中で、知人から知りえた事実などもあり、姉の方が辛かったかもしれないと思い、姉に感謝をして電話を切り、その日はたくさん泣きました。でも、泣いても現実は変わらないことを気づきました。私の場合はそれが早かったのかもしれません。 女川に行くにあたって、姉がいる仙台のスーパーはその当時開いていなく、姉のために必要な日用品や食料を持って向かいました。家があった場所に行くと、やはり現実が信じられませんでした。町の70%が破壊され、昔あったものがすべて消えてなくなってしまったのです。しかし、写真館の暗室の部分は残っていました。ここに写真館があったことを示しているように感じ、両親が「ここにいたんだよ」と言っている様な気がしました。

 

photo by ©Mirai Sagano/311 Kids' Photo Journal
photo by ©Mirai Sagano/311 Kids' Photo Journal

 

◎ なぜ写真を撮ろうと思ったのですか? 

 

 そもそも私は写真の大学に通うために、大学入学と共に女川を出ました。正直、女川は、田舎過ぎて好きではありませんでした。しかし、震災をきっかけに父が代々受け継いできた写真館を受け継ぎたいと思うようになりました。 

 写真館は、私の代で3代目となり、初代は祖父が1930年に大崎市から女川町にやって来て写真館を創業しました。祖父が開業して、3年後の1933年(昭和8年)に昭和三陸大津波があり、どれくらいの被害だったかは、祖父に直接尋ねたわけではないのでわからないのですが、災害を乗り越えて再開したことは確かです。そして、2代目の父が21歳で家業を継ぐと、今度は1960年(昭和35年)チリ地震津波が町を襲ったのです。海岸近くにあった写真館は、1階天井まで浸水しました。繰り返し地震と津波が起きる地域になぜ住み続けるのか。それは、地域の皆さんがお互いをそして何より女川を愛していたからだと思います。そして、自分の代で伝統を途切らすわけにはいかないという使命を強く感じていたからだとも考えられます。そんな思いを感じ、暗室に残っていた父のカメラとレンズを使って撮影しようと思いました。

 

◎ いまの女川はどのような町ですか? 

 

 いまの女川の復興町づくりは、いままでの女川に戻すのではなく、若者の意見を多く取り入れ、新しい町に変化しようとしています。意見を言うということは、それなりの責任を持つことにも繋がるため、多くの若者の意見を求めています。自分たちの手で作り上げた女川を大人になっても愛してもらえるような町にしてほしいです。いま女川で頑張っている皆さんは、とてもポジティブな方が多いです。震災をいい意味で女川が変化するチャンスだと捉え、いつ戻ってきても安心できるような街づくりのため、みんなで頑張っています。

 

鈴木さん、ご協力ありがとうございました。

 

photo by ©Mirai Sagano/311 Kids' Photo Journal
photo by ©Mirai Sagano/311 Kids' Photo Journal

 

 今回、直接お話を聞いて、私はとても震災のことを思い出しました。震災を思い出すことが少なくなってきてるいま、このような写真展に出会えたことをとても嬉しく思います。鈴木さんの写真はどこか悲しく、でもどこか気持ちが落ち着くような写真が多いと私自身、写真展と写真集を見て感じました。是非皆さんにも直接写真展に足をお運びいただき、この気持ちを感じ取ってほしいです。

 

鈴木麻弓写真展 「The Restoration Will」

〒131-0032

東京都墨田区東向島2-38-5

2017年 3月4日(土) ~ 26日(日)      

午後1時 ~ 7時まで      

会期中無休 ・ 入場無料

 

*11日にはオープニングレセプションとアーティストトークが午後6時より開催されます。

皆様のお越しを心よりお待ちしております!!

 

KPJ 広報担当 佐可野未来